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2016/01/16-02/28 カンバセーション_ピース:かたちを(た)もたない記録ー小西紀行+AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]

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「提供者撮影 昭和43年9月 井の頭自然文化園にて」

[以下武蔵野市立武蔵野市吉祥寺美術館ウェブサイトより転載]
油彩で家族/人間を描き続けている小西紀行(こにしとしゆき(1980~)と、市井(しせい)の人びとによる記録の価値を探求しているAHAアハ!。
本展は、「家族」をメディアとしてそれぞれに活動を展開してきた二者を通じて、定まったかたちや居場所を持たない、あるいは保たない「記録」というものの可能性を探る試みです。

カンバセーション・ピース(Conversation piece)
〈会話〉のきっかけになるもの、という意味を持つ言葉であり、また美術の用語として主に17~18世紀にヨーロッパで成立・普及した〈家族像(家族の集団肖像画)〉を指す言葉でもあります*。

〈自由〉にみられる絵
小西紀行の作品は、自身や親の幼少期に撮影された〈家族写真〉に着想を得て描かれています。人のかたちがくずされ、ぼやかされていることによって、鑑賞者による想像と介入を誘うそれらは、〈絵画作品〉でありながら、人びとの記憶や記録を保管する、可動式の〈アーカイブ〉としてのはたらきを担っているようでもあります。本展のために準備された新作を中心とするペインティング12点、ドローイング22点が、展示室内にしつらえられた〈とある住宅〉の中に、〈場の記憶〉として立ち並びます。

忘れられていた記録が、誰かの記憶にもなる
AHA!は、〈8ミリフィルム〉という、昭和30~50年代に普及した家庭用動画記録メディアを用いた、アーカイブ・プロジェクトです。AHA!の活動は、8ミリフィルムそのものを残すということに重きをおくものではありません。フィルムに残された映像を人びとが共に観ること―そのことによって、記録者以外の別の誰かの記憶までが刺激され、よみがえり、語られるという現象を、アーカイブの一つのあり方として捉えようとしています。

戦後70年。71年目も平和(Peace)を考える 
本年度は戦後70年の節目の年であり、各地の美術館でも、これにちなんだ特別展が企画されました。本展もまた、〈戦後〉の人とその記録というものへ意識をささげながら準備されたものです。小西の作品のモチーフとなった家庭用カメラによって撮影された写真。その写真を描いた絵。AHA!が取り扱う8ミリフィルム。みな、戦後社会の断片を拾い上げたメディアにほかなりません。
AHA!は本展に向け、武蔵野市周辺における8ミリフィルムの収集とあわせて、その過程で出現した〈会話〉とさまざまな記録の断片を、一冊の本『あとを追う』にまとめました。フィルムを通じて発せられる話はどれも、〈戦争と戦後〉の一つの記録となり得ました。

本展が、〈アーカイブ/記録〉というもののあるべき〈かたち〉についてあらためて考える機会となることを願うとともに、絵画の見方、さらにはこれまでの(戦後の)〈家族像〉を振り返り問い直していくための、ささやかな一断片となれば幸いです。

会期:2016年1月16日(土)~2月28日(日)
※会期中の休館日=1月27日(水)、2月15日(月)、2月24日(水)
主催:武蔵野市立吉祥寺美術館
協力:ARATANIURANO、remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]、井の頭自然文化園 

●小西紀行 Toshiyuki Konishi
1980年広島生まれ。2007年武蔵野美術大学大学院修了。大学院修了以来、ARATANIURANO(東京)において継続的に作品発表を行なうほか、横浜美術館(カフェ小倉山)「千年生きる」(2008年)、gallery αM「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう」(αMプロジェクト2012 vol.5)はじめ、マイアミ、香港等でも個展を開催。また、SOMA美術館(ソウル)「エモーショナルドローイング」(2009年)、高知県・須崎におけるアーティストインレジデンス「現代地方譚1~3」(2014~2015年)、国立国際美術館(大阪)「ノスタルジー&ファンタジー:現代美術の想像力とその源泉」(2014年)、東京オペラシティアートギャラリー「絵画の在りか」(2014年)等、国内外各地にて多数のグループ展に参加。2010年からは拠点を広島の離島におき、祖父がかつて暮していた家に住みながら、主に自分自身の家族写真をもとにした「人間」を描き続けている。

●AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
歴史上初めて一般家庭へと行き渡った動画記録メディアでありながら、現在劣化・散逸の危機に直面する「8ミリフィルム」にこめられた〈「記録」に向けられた熱度〉に着目し、その収集・公開・保存・活用を進めるプロジェクトとして、2005年、remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織](大阪)を母体に始動した。フィルムに残された映像を発端に、失われた/失われつつある「記憶」が、人の誤読や錯覚という現象を取り込みつつ、時間/経験を共有しない者同士の「溝」を行き来して変形・拡張・継承されるという、人とモノを介したアーカイブの可能性を探っている。取り組みごとに協働者を募るという運営スタイルで、これまで、大阪市内を中心に、福岡市、茨城県大子町、大垣市、青森市、世田谷区などでも活動を展開している。

【関連イベント】
①小西紀行+AHA!ギャラリートーク 
日時:2016年1月17日(日)14:00~15:30
場所:当館ロビーならびに企画展示室
※予約不要。当日会場にお越し下さい。

②小西紀行トーク「質疑応答」 
日時:2016年2月20日(土)14:00~15:30
―出品作家の小西紀行氏が、会場からの質問を受けながら、自身の制作についてお話します。
場所:当館音楽室  定員:90名(要申込・先着順)

③AHA!トーク 「『あとを追う』――そのあとを追う」 
日時:2016年2月28日(日)14:00~15:30
―AHA!メンバーの松本篤氏が、本展のために制作した本『あとを追う』についてお話します。
場所:当館音楽室 定員:90名(要申込・先着順)
※16:30より閉館時刻まで、AHA!がこれまでアーカイブしてきた映像の一部を蔵出し上映します。

④『あとを追う』関連ワークショップ「3つの読書会」
進行:AHA! 場所:当館音楽室 定員:各日5名(各日ごとに要申込・先着順) 
資料代:500円
・読書会その1:『あとを追う』 
日時:2016年2月21日(日) 14:00〜15:30
―本展のために制作された『あとを追う』を題材に、「記録を読むこと」について考えます。

・読書会その2:『十六歳の日記』 
日時:2016年2月26日(金) 18:00〜19:30
―川端康成『十六歳の日記』を題材に、「人間が過去に失つて行くもの」について考えます。

・読書会その3:『ペン習字 軍人模範慰問文』 
日時:2016年2月27日(土) 14:00〜15:30
―戦時中に出版された慰問文の文例集を題材に、「なぞること」について考えます。

※②③④の申込方法:2月2日(火)10:00よりお電話(0422-22-0385)または美術館窓口にて(各日定員に達し次第締切)

REMO DESK 2016年01月13日

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