トーク/レクチャー

2008/01/22 キュレーションのハードコア 2 大阪会議「美術、アート、視覚表現、映像資料…を扱う私たちの実践」

キュレーションのハードコア 2 [大阪会議]
「美術、アート、視覚表現、映像資料…を扱う私たちの実践」

私たちが、現代の美術について語るとき、「美術」という言葉から一般にイメージ
される表現(たとえば絵画や彫刻)から、はみ出していることが多々あります。それは、
「アート」と緩く便利なカタカナことばで括られたり隣り合う表現(パフォーマンスイ
ベントやコンサートであったり、社会に関わろうとする視覚表現、さらには身近な映
像表現や資料の収集であることも)を指しながら、さらに自ら「よくわからないもの」
であろうとすらしているようです。
「キュレーター」という言葉が美術館の「学芸員」あるいは「展覧会をする人」を
指す職業として一般的に知られるようになりました。ところで、「アート」がこうし
た「よくわからない」多様な表現の総称として語られるとすると、「キュレーター」
という職業にも、ある種の固定的な役割を踏み越えていくことが求められるのではな
いでしょうか。
今回のシンポジウムは、このような「よくわからないもの」を扱い「道なき道」を
歩む実践者の活動に耳を傾けながら、その実践のなかに、現代の豊かな表現を生み出
すためのカギを探ろうとする試みです。

日時:2008年1月22日(火)18:00〜21:30(開場 17:30)

トーカー:
- 基調講演「ハラルド・ゼーマンのキュレーションにおける方法論」:徳山 由香
-「パブリックなアートの実践」Breaker Project(大阪):雨森 信
-「社会的な実験プロジェクト Shin-bi」京都精華大学(京都):田村 武
-「大阪アーツアポリアと Community-Collaborative Art」(大阪):中西 美穂
-「AHA! 人類の営みのためのアーカイブ」remo(大阪):松本 篤
-「都市の文化状況に積極的にコミット」する活動 rhythm+etc.(福岡+anywhere):遠藤
水城
参加費:500円

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*関連上映会「Everybody Wants to Rule the World」  90分・ループ再生×2回(参照
用日本語資料あります。)

出演:ニコラ・ブリオー/ベアトリクス・ルフ/グザヴィエ・ドゥルー ほか
グルノーブル国立現代美術センター・マガザンのキュレトリアル・トレーニング・プログラム Ecole du Magasin に在籍していた徳山由香ら世界各国から集まった7名が、リヨン・ビエンナーレのオープニング期間中に「あなた独自のキュレーションとは?」と有名無名のキュレーターたちに仕掛けた無差別インタビューの記録映像。 http://www.ecoledumagasin.com/session16/

■トーカー/プロフィール:
徳山 由香
1972年大阪生まれ。早稲田大学文学研究科美術史専攻修士課程修了。国立国際美術館
などでの勤務と並行して、オルタナティヴ・アートシーンのリサーチ・プロジェクト
「art plan-美術(計画)地図-」
http://www.log-osaka.jp/movement/artplan/index.html (2003-2005) や、ワークショップdo it yourself 六甲山(かわいい)国(神戸、2004)を手がける。2005年より文化庁在外研修にてフランスへ渡り、2006-07年キュレトリアル・トレーニング・プログラム、エコール・デュ・マガザン(フランス、グルノーブル)に参加、共同プロジェクトとして Harald Szeemann: Individual Methodology 出版、「Everybody Wants to Rule the World 」制作。現在、フランス社会科学研究高等学院にてキュレーションの実践
について研究中。

雨森 信
NPO remo 記録と表現とメディアのための組織 理事、インディペンデントキュレーター。2002年NPO remoを立ち上げ、上映会や展覧会などを企画。また大阪市の文化事業として「Breaker Project(2003-2004)」や子どもを対象にしたアニメーションワークショ
ップ「art school」(2005)、「art in the city」(2006)をプロデュース。主に新世界周辺の町なかにて様々なアートプロジェクトを実践。芸術と社会を繋いでいくことに注力している。2006年「咲くやこの花賞」受賞。
http://breakerproject.net/

田村 武
shin-biディレクター。1969年京都生まれ、見ること見せることへの関心から、大学院で展示学として動物園をフィールドに研究する。大学での非常勤講師の傍ら、京都精華大学の公開講座のディレクションをおこなう。京都造形芸術大学のASP学科の立ち上げを経て、京都精華大学が運営するshin-biのディレクターとなる。一方でP-hourという音楽イベントの主催をおこなう。

中西 美穂
1968年生まれ。京都精華大学美術学部で立体造形を学ぶ。ギャラリーそわかのアシスタントディレクター等を経験。現在NPO大阪アーツアポリア代表理事。主なプロジェクト企画は「大阪市アーツアポリア事業@築港赤レンガ倉庫(2000〜2006)」、「womens-performance-art-osaka(1999~)」「マッドウイメン/大阪(2004)」「アーティスト@夏休みの病院(2004〜)」「HOUSE OF COMFORT in OSAKA(2007)」等。どのプロジェクトも恊働型です!

松本 篤
NPO remoメンバー/新世界ブレーカープロジェクト・スタッフ。1981年兵庫県生まれ。大学在学中よりremoやBreaker Projectに参加。現在remoにて、パーソナルな記録物(8ミリフィルムやビデオ等の映像メディア)のデジタルアーカイブプロジェクト、 AHA![Archive for Human Activities /人類の営みのためのアーカイブ]を企画・運営。

遠藤 水城
キュレーター。1975年札幌生まれ。2004年、九州大学博士後期課程満期退学。2001年より「rhythm」名義で活動を開始。2004年、福岡市に「アートスペース・テトラ」を設立。同年、日本財団助成によりフィリピンとインドネシアに1年間滞在、現代美術シーンを調査。マニラにて「Future Prospects Art Space」の設立に参加。2005年、国際 若手キュレーター賞「ロレンツォ・ボナルディ・アート・プライズ」に長谷川祐子氏の推薦により参加。同賞を受賞。2006年、ベルガモ近現代美術館(イタリア)にて
「Aesthetics/Dietetics」展を開催。同年「シンガポール・ビエンナーレ2006」ネットワーキング・キュレイターを務める。2007年、Asian Cultural Council助成により米国に滞在、キュレーターの諸実践を調査。現在は、茨城県が主催する「アーカス・ プロジェクト」のディレクターを務める。共訳書にジェイムズ・クリフォード『ルーツ - 20世紀後期の旅と翻訳』(月曜社)。

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「キュレーションのハードコア」とは
遠藤水城氏と徳山由香との対話の中から生まれた、現代美術のキュレーションについて考えるプロジェクトです。遠藤氏がディレクターを務める茨城県守谷市のアーティスト・イン・レジデンス、アーカスプロジェクトにて、第1回目が開催されました。近日中に福岡で第3回を予定しています。
http://www.arcus-project.com/jp/event/2007/ev_jp071126180000.html
*下記サイトにプロジェクトの詳細をアップデート予定。
http://www.ecoledumagasin.com/session16/spip.php?article131

主催:徳山由香、NPO法人 記録と表現とメディアのための組織(remo)
協力:NPO法人 大阪アーツアポリア
問い合わせ:remo 06-6320-6443

REMO DESK 2008年01月15日

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